今回はBHCに汚染された土壌および地下水の浄化方法について紹介します。方法は掘削除去、原位置化学的分解、原位置生物学的分解の3つあります。
掘削除去
これは汚染土壌を非汚染土壌と入れ替えることによってBHCを対象地から除去する方法です。対象地から搬出された汚染土壌は処理施設で処理されます。メリットは一般的に工期が短く、工事範囲の汚染を 確実に除去できることです。デメリットは高コストかつ高環境負荷であること、BHC汚染土壌を受け入れ可能な業者が限られていること、地下水汚染がある場合は別途対策が必要なことなどが挙げられます。なお、地下水は活性炭で処理する場合が多いです。以上のようにデメリットが多い掘削除去ですが、国内では適用されることが多い浄化方法です。
原位置生物学的分解
これは微生物の嫌気反応によってBHCを脱塩素化させ分解する方法です。汚染地に生息している土着菌を薬剤によって活性化させる方法と分解菌を汚染地に接種する方法があります。メリットは低コストや低環境負荷であること、汚染土壌と合わせて地下水も浄化できることが挙げられます。デメリットは浄化に時間が掛かることや脱塩素化によって別の有害物質(ベンゼン)が発生することが挙げられます。当社ではBHCを嫌気分解、ベンゼンを好気分解した実績を持っています。BHCの原位置生物学的分解の実績を持つのは当社のみです。
原位置化学的分解
これは金属系薬剤などを使用し、還元作用や酸化反応によりBHCを脱塩素化させ分解する方法です。処理施設を現地に設置し、土壌と薬剤を現地で攪拌するオンサイト処理と井戸から薬剤を注入する原位置処理があります。一般的にコスト、浄化期間や環境負荷については掘削除去と生物学的分解の中間に位置する技術です。当社では、上記の生物学的分解と併用して浄化を行った実績があります。