環境省では令和元年度から水環境における有機フッ素化合物の全国的な存在状況を把握するために調査が行われています。
令和2年度の調査結果が環境省で公開されたため、今回はその結果をご紹介します。
調査は各都道府県の有機フッ素化合物の排出源となり得る施設周辺の河川、海域、地下水および湧水の143地点で行われました。
分析項目はPFOS、PFOAおよびPFHxSです。PFHxSは今年度から調査項目に加わっており、調査地数は各都道府県の1地点となっています。
なお、排出源となり得る施設は泡消火剤を保有・使用する施設、有機フッ素化合物の製造・使用の実績がある施設、下水道処理施設などを指します。
調査結果と今後の対応について
PFOSおよびPFOAについては143地点中21地点で暫定指針値(50ng/L)の超過が確認されました。
指針値の超過が確認された都道府県は12都府県で、最大値は大阪市の5,500ng/Lでした。
沖縄県では沖縄市、うるま市および中頭郡で超過が確認され、最大値は中頭郡の1,100ng/Lでした。
なお、暫定指針値を超過した地下水および湧水はいずれも飲用用途の水ではないとのことです。
PFHxSについては36都道府県において0.1ng/L(報告下限値)以上の検出が確認され、最大値は北海道大空町の28ng/Lでした。
環境省は、引き続き関係省庁及び関係地方公共団体と連携の上、地方公共団体が対策を講じる際の参考として令和2年6月に策定した「PFOS及びPFOAに関する対応の手引き」の活用を促し、人へのばく露防止のため、目標値超過時の飲用に関する注意喚起や汚染状況の把握の取組のほか、有機フッ素化合物を含有する泡消火薬剤の在庫量調査及び代替促進等の取組を進めていくこととしています。