農産物(田芋)
農産物については宜野湾市大山で田芋が、魚類については比謝川に生息するものを対象に調査が行われています。
田芋とは、宜野湾市の農産物出荷量一位の作物であり、沖縄ではお正月やお盆など行事料理には欠かせない食材です。2019年に宜野湾市大山で行われた調査では農用地と田芋の分析が行われ、以下のような結果が得られています。調査を行った京都大学の教授らは田芋の濃度は低く、食品として安全と評価しています。
土壌については、この農用地は湧き水を農業用水として利用しているということから、その湧き水が汚染原因になっていると考えられています。
移行率は植物によって変わることが予想されるため、他の農産物についても行政による定期的な調査が望まれます。
魚類について
2016年に京都大学の教授らが比謝川の流域に生息する魚類について調べたところ、2015年に環境省が行った調査結果を大きく上回る濃度が検出されました。この調査で魚類には、PFOSの他に泡消火剤の有効成分であるPFOSAmや泡消火剤から生成したという研究事例のある6‥2FTSや8‥2FTSが検出されました。また、以下にあるとおり魚の体内でPFOSが生成されているおそれがあります。
PFBS、PFHxS、PFOSの3種PFSAs が内蔵中含有量の方が高い傾向にあったのに対し、N-EtFOSEは内臓中含有量が低い傾向にあった。これらの結果から、N-EtFOSE が魚の体内で代謝されPFOSを生成した可能性が示唆された。
出典:『沖縄県内の河川魚類中からの PFOS 前駆体とみられるポリフルオロアルキル化合物の定性分析』田中周平氏ら