2018年時点で、沖縄には31の米軍専用施設があり、その面積は約1.8万haになります。沖縄県の全土地面積の約8.3%、本島では約15%を米軍基地が占めている状態です。これらの軍用地は、米軍が沖縄に上陸した1945年以降に住民から強制接収したものが多くを占めています。そのため、強制接収された住民は基地の周辺に住むしかなく、住宅地の中に基地があるというたいへん危険な状態を生み出しました。このような背景から本土の米軍基地の約90%が国有地であるのに対し、沖縄県では国有地の割合が約20%しかなく、約40%が公有地、残りの約40%は民有地です。
沖縄復帰後の返還地に関する取り決めは、SCC(日米安全保障協議委員会)およびSACO(沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会)で行われています。復帰からこれまでに返還された土地は約1.7万haであり、今後は普天間飛行場など約800haが返還される予定です。これらが返還されれば、米軍専用施設の面積は復帰直前に比べ約50%にまで減ります。
米軍専用施設は、日米地位協定に基づき米軍に排他的管理権が認められ国内法は適用されない施設です。また、返還時に米側に原状回復義務はありません。そのため、これまで米軍基地や返還地で土壌汚染が問題になってきました。