沖縄県内では、比謝川などの河川に高濃度のPFOS等の有機フッ素化合物が含まれた結果、その河川から取水を行う北谷浄水場および北谷系水道には、他の水道水に比べ多くの有機フッ素化合物が含まれていることが判明しました。その濃度はEPAが定める生涯健康勧告値70ng/Lを下回るものとなっています。しかしながら、この勧告値についてアメリカ国内では、不十分だとしてより厳しい基準を設けている州もあります。勧告値については別記事をご覧ください。
住民からは嘉手納基地周辺からの取水をやめるよう要請が出ていますが、濃度は前述の勧告値を下回り安全性が担保されていることや安定的な水供給を行うため企業局は取水停止に難色を示しています。なお、北谷水道局では2016年から粒状活性炭を使用しPFOS等の吸着を行っています。
2019年4月に京都大学が宜野湾市および南城市で血中のPFOS等の有機フッ素化合物の濃度を測定したところ、2016年度の全国平均値に比べて4倍高い濃度であることが判明しました。この調査は住民からの要望を受けて行われ、宜野湾市大山の住民44人と南城市民61人が対象となりました。全国平均と大きく差があったのはPFOSやPFOAではなく、PFHxSでした。宜野湾市大山の住民の中には全国平均92~96倍のPFHxS が検出される人もいました。有機フッ素化合物については別記事をご覧ください。
宜野湾市では、日常的に水道水を飲用する人の方が飲用しない人に比べてPFOS等の血中濃度が高い傾向にありましたが、南城市では差がない結果となりました。今回の調査結果を受けて、京都大学では水道水以外の摂取経路として大気に着目し、PFOS等の大気汚染の調査を行うとしました。