現在、PFOSおよびPFOAについて、飲料水に関するガイドライン値はWHOで定められておらず、法的規制を設けている国はありません。ただし、アメリカ、ドイツ、イギリスやオーストラリアでは以下のような目標値を定めています。また、アメリカではミシガン州、ニューヨーク州などがより厳しい数値を独自に設定しています。PFOSおよびPFOAの毒性について知見は集まってきているものの、知見が集まったことによって毒性評価の指標も新たに増え、指標の設定の仕方によって目標値が2桁変わることもあります。各国の目標値が大きく異なるのも、そのためです。例えば、アメリカではラットを用いて2世代にわたりそれぞれの世代への影響を評価し、イギリスではサルを用いて試験を行っています。
2020年2月現在、日本では基準値や目標値は定められていませんが、沖縄の汚染問題を受けて厚生労働省が目標値の設定を検討する運びとなりました。2020年2月に開かれた水質基準逐次改正検討会で暫定目標値を50ng/L(PFOSとPFOAの合計値)とする案が承認されました。今後、パブリックコメント等が実施され4月1日から適用される予定です。
沖縄県内では、県独自の基準値を設定してほしいといった要望も出ていますが、県は国による目標値の設定を待つ考えを示しており、その対応に批判の声も出ています。