土壌および地下水中のBHC濃度については、環境省が発行する「埋設農薬調査・掘削等マニュアル」において指針値が定められています。この指針値は、FAO/WHO合同残留農薬専門委員会が定めた暫定の許容一日摂取量(ADI)を基に算定されています。ADIの数値は、ラットやマウスに毒性変化が認められない量に種間差と個人差を考慮した安全係数(100分の1)を乗じたものであり、人が毎日、一生涯摂取し続けても健康に悪影響が出ないと考えられる量です。
指針値を算出する際の設定
指針値は次のような考え方で算出されています。環境水中濃度指針値および土壌濃度指針値(溶出量)であれば体重50㎏の人が許容できる摂取量の10%を飲用水(2L)から摂取するという想定です。土壌濃度指針値(含有量)であれば、同じく体重50㎏の人が許容できる摂取量の10 %を土壌(108.6g)の摂取および皮膚接触(土量463.8g)によって摂取するという想定です。そのため、体重50㎏の人が70年間、指針値の濃度のBHC汚染水を毎日2L飲用したとしても安全性に問題のないと考えられます(※一生涯を70年としています)。