別の記事に記述してあるとおり、県は定期的に嘉手納基地および普天間飛行場の周辺でモニタリングを行っています。2019年9月に行われた最新の調査結果では、以下のような結果が得られました。なお、比謝川と天願川は嘉手納基地の比較的近くにある河川です。
PFOSとPFOAの合計値が比謝川周辺の湧水では830~1400 ng/L、地下水では340~1800 ng/L、天願川の表流水では110 ng/L、河川水では71~1100 ng/L、普天間飛行場の周辺の湧水では31~1300 ng/L、地下水では49~100 ng/Lでした。アメリカが設定する飲料水の生涯健康勧告値は70 ng/Lですが、それを大きく上回る濃度が検出されています。なお、この生涯健康勧告値は、この濃度の飲料水であれば70年間毎日2Lを飲んでも健康への影響はないとされる数値です。
このモニタリングでは、PFOSやPFOA以外の有機フッ素化合物PFHxS、6:2FTSや8:2FTSの分析も行っています。PFHxSはPFOSやPFOAと同じく泡消火剤や撥水剤に広く使用されていた物質であり、6:2FTSや8:2FTSは酸化剤の影響下で泡消火剤から生成されるという研究事例がある物質です。6:2FTSや8:2FTSが検出されるということは、その汚染原因が消火剤である可能性があるとされています。有機フッ素化合物について別記事をご覧ください。